Languages

Contact an EHS Services expert

1 + 0 =
Solve this simple math problem and enter the result. E.g. for 1+3, enter 4.

動向情報

新型コロナウイルス感染症:雇用主のEHS観点

2020年3月16日

はじめに

あなたが今ビジネスに関わる一員であるならば、間違いなく新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な流行を認識しているでしょう。 このウイルスは現在、スポーツイベントからEHS業界の集まりまで、世界中のイベントのキャンセル要因となっています。 このウイルスがもたらすインパクトに対して「免疫」を持っている人はいないため、このような危機に直面してビジネスがどのように継続できるのか懸念を持つかもしれません。 しかしながらパニックに陥る前に、一歩引いてビジネスの観点から雇用主の従業員に対する責任についてどのようなガイダンスがあるのかを検討してみましょう。

 

例えば米国には1970年労働安全衛生法(OSHA)第5条のよく知られている「一般義務条項」(OSH Act, Section 5; https://www.osha.gov/laws-regs/oshact/section5-duties)がありますが、 この条項は、雇用主が従業員に対して「差し迫った危険がない」職場(および仕事)を提供することを規定しています。この危険には「害を及ぼす、もしくは及ぼしかねない」危険、すなわち「死亡または深刻な身体的危害」(OSH Act, Section 5(a)(1))を含みます。新型コロナウイルスはこの定義に当てはまりますので、米国の雇用主は最低限、従業員に対するこの一般的な義務を認識する必要があります。

他の国同様に米国にもこの種のウイルスの発生に対応する専用の政府部門である米国保健福祉省 (U.S. Department of Health & Human Services)、およびその中の機関である疾病予防管理センター(CDC: Centers for Disease Control and Prevention)があります。 CDCは、新型コロナウイルスのすべてに関わる米国当局です。 CDCのウェブサイトを確認すると、多くの有用な情報を見つけることができます。米国にビジネス拠点を持つ企業は、このウェブサイトをよく確認しておくことをお勧めします。あなたが医療業界の雇用主である場合に興味深いリンクの1つは、医療施設のチェックリスト:COVID-19感染者治療におけるN95呼吸器の供給を最適化するための戦略です。(Checklist for Healthcare Facilities: Strategies for Optimizing the Supply of N95 Respirators during the COVID-19 Response. https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/hcp/checklist-n95-strategy.html) このチェックリストは、例えば、技術管理、運営管理、個人用防護具(PPE)それぞれに分けられており、ウイルス発生に関する専門家ではない人にも非常に有用なページです。また、PPE(フェイスマスクなど)を必要とする人と必要ない人の判別方法が解るCDC のウェブページ (https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/hcp/healthcare-supply-ppe-index.html) があり、医療業界関係者向けのウェビナーもあります。

米国ではこれらのことから考えて留意すべき点は非常に明確です。CDCのアドバイスに従い、通常のビジネス運営をする上でOSHAの規定に従うべき一般的な責務があることを常に考えておくということです。

ただし、米国はこのウイルスの元々の温床ではありません。 あなたが多国籍企業の雇用主である場合、事業拠点がある国のガイダンスと推奨事項に注意する必要があります。

 

世界中で何が起こっているのか?

以下の情報は、EnhesaのEHS専門家が世界中の新型コロナウィルスによる影響を調査している中で得たいくつかの事例です。

イタリア

イタリアにおいて新型コロナウイルス流行の影響を受けている地域で事業活動を行う場合、従業員にテレワークを許可する必要があります。また、テレワークをする従業員に健康と安全に関する注意事項を適切に通知する必要があります。

詳細は以下を参照してください:

https://www.inail.it/cs/internet/comunicazione/avvisi-e-scadenze/avviso-...

新型コロナウイルスに関連して発生する可能性のある新しい生物学リスクに照らし合わせて、リスク評価文書(Documento di valutazione dei reschi)を確認することが、最良の方法かもしれません。

中国-上海市

新型コロナウイルスの防疫期間中、事業が完全に再開されていない場合でも、従業員に必要な安全のためのオンライントレーニングを継続して実施する必要があります。 非正規労働者もトレーニングの対象です。

さらに、安全管理者の資格は、有効期限を過ぎても防疫期間が終了した後3か月以内に更新手続きをすれば有効です。 緊急対応レベルがレベル1から引き下げられた時点で防疫期間が終了となります。

中国-遼寧省

遼寧省にある施設では、新型コロナウイルスの拡散を抑えるために、職場で特別な措置を講じる必要があります。 これは、同省の複数の管轄当局によって発表された政策に基づいています。 これらの中には、「企業と労働者のための感染予防管理対策20条」があります。例えば、雇用主が講じるべき対策のうち、最も重要なものは以下の通りです:

  • 勤務前に社内で従業員が感染していないことを確認する。
  • 健康状態の観察と検査を強化する(検温など)。
  • 会議、食事、休憩、通勤において人が集まる場所を避ける。
  • 緊急時対応の計画を策定し、それに基づき行動する。
  •  
  • 感染予防用品(マスクや石鹸など)を準備する。

中国-浙江省

浙江省に拠点を置く企業は、新型コロナウイルスの拡散を抑えるために、職場で特別な措置を講じる必要があります。これは、「浙江省における企業の操業再開と感染予防・抑止に関する17条の規定」に基づいています。企業は主要産業(医薬品の製造、輸送、小売、通信など)を除き、地方自治体の承認なしに操業を再開することはできません。

操業を再開する企業は、例えば、以下のことを行う必要があります。

  • 社内の責任者で構成される感染予防・抑止管理グループを設置する。
  • 感染予防・抑止計画と操業再開計画を作成する。この中には、例えば責任の明確化、毎日の運営管理方法、緊急時対応に関する詳細な情報を含める必要がある。
  • 上記の感染予防・抑止計画、操業再開計画およびその他の資料を、再開前に管轄の地方自治体に報告する。
  • 健康申告制度を確立し、過去14日間の従業員の移動履歴と人との接触履歴を追跡する。

イギリス

イギリスビジネス・エネルギー・産業戦略省は、新型コロナウイルスの拡散を防ぐために、以下の一般的な風邪およびインフルエンザの予防策を講じることを推奨しています。マスクは、他の人への感染リスクを減らすために、症状のある人(医療関係者の診断による)のみが着用することを勧めています。感染リスクを減らす最善の方法は、衛生状態を保ち、感染の可能性のある人との直接または濃厚な接触(2メートル未満)を避けることです。感染流行地域から帰国した従業員は、14日間にわたって自己隔離することを勧めています。また、帰国時にNHS(国民保険サービス)111番に電話をしてアドバイスを受けることも勧めています。

中国やその他の感染流行国に渡航したことがある人が職場で気分が悪くなった場合、他の人から少なくとも2メートル隔離する必要があります。可能であれば、雇用主は隔離することができる部屋またはエリアを見つける必要があります。できれば、雇用主は換気のための窓を開けるべきでしょう。 そしてNHS 111に電話をする必要があります。

従業員がウイルスに感染している、または感染している疑いがある場合、会社を閉鎖することは勧められていませんが、感染者と濃厚接触をした従業員は14日間の自己隔離期間を遵守する必要があります。地元の健康保護機関より職場の経営陣に連絡が行き、その事例についてのリスク評価が行われます。

まとめ

これらの情報は常に更新されており、引き続き最新情報を地方当局より入手するよう留意してください。 Enhesaの専門家は、上記の例以外にもレポートを発行しております。本件に関する最新の情報を提供する予測サービスの詳細については、本ページよりお問合せください。

 

Jessica Sarnowski, Head of Content Marketing & Thought Leadership

日本語版 髙山直子 日本エンヘサ株式会社

Languages