ブラジル、REACH類似の化学物質管理法案を承認

ブラジルは2024年11月13日に、EU REACHに類似した化学物質管理枠組み法案を承認し、法律第15.022/24号を承認し、14日に公布しました。同法律は、ブラジルで生産または輸入される有害化学物質に関する情報を収集し、国家化学物質のインベントリ リストの作成にも寄与します。

by Sok-Han, Ng

今回承認された内容は去年12月に承認された内容と大きく変更がなし、「医療機器として分類される予防、診断または健康治療用の製剤および物質」を法案から免除される化学物質に追加されたままとし、免除対象の項目は次の通りとなります:

  • 放射性物質
  • 非分離中間体
  • 国防および研究目的
  • 廃棄物
  • 意図せぬ化学反応の生成物
  • 再輸出のために輸入されたもの
  • 一時的な保管
  • 自然に存在する物質
  • 麻薬、向精神薬、免疫抑制剤
  • たばこ及びタバコ製品の成分としてのみ使用されるもの
  • 構造用の金属合金
  • 爆発物及びその付属品
  • 殺虫剤、医薬品、化粧品、消毒剤
  • 医療機器として分類される予防、診断または健康治療用の製剤および物質

企業への影響 

新法は、免除対象外の化学物質を年間1トン以上生産または輸入する製造業者および輸入業者に対して、登録システムへの登録を義務付けます。これにより、政府はリスクの高い化学物質の優先順位を設定し、リスク評価および管理措置を実施することが可能となります。

企業は、新オンライン登録システムの開始から3年以内に既存の化学物質を登録しなければなりません。さらに、外国の製造者は現地の事業体を代理人として指定することができ、EUの「唯一代表者制度(Only Representative: OR)」に類似するものが導入されます。当該ORの選択しは、外国の化学品製造者にとって、チリ、コロンビア、ペルーの他の新興システムよりも有利になります。

南米への影響

これにより、ブラジルは南米でペルー、チリ、コロンビアに続き、4番目に化学物質管理規制を設ける国となります。ブラジルは南米で最大の経済圏であり、この法案の成立は、地域全体に大きな波及効果をもたらすと予想されております。

チリとコロンビアはすでに化学物質管理規制を制定し、類似している届出制度を実施しております。

 

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